Épagneul Breton-Vol.5
どうして捨て犬の猟犬がいるの?!!
 最近ブルトンに関連したサイトで迷犬なのか捨犬なのか、京都で白黒、北海道で黒白オレンジ
のトリコロールの2頭のブルトンが保護されたことが紹介されました。

 この2頭についての詳しい事情は分かりませんが、実際に猟野へ行くと遺棄されたと思われる
猟犬に時々出会います。犬種としてはやはりセタ―が多いようです。
 性情が知れないのでこちらから近づいて行くことはありませんが、向こうからすり寄ってくること
があります。
 保護してやれば良いとは思うのですが、もしかすると狩猟の最中かもしれないし、盗犬と思われ
てトラブルを抱えるのも面倒なので、そのまま立去らざるを得ないのです。

 もう死にかけている犬を発見し、早く楽にしてやろうかと一瞬考えたこともありました。
 狩猟法では「野イヌ」「野ネコ」は撃っても良いことになってはいますが、さすがに銃を向けること
は出来ませんでした。

 また、飼主自身の手によるものなのか、獣猟者の遊び心によるものなのか、大物猟用のスラッ
グ弾を至近から撃ち込まれ、誰を見据えているのか、目を開けたまま死んでいた光景も瞼に焼き
ついたまま忘れられません。

 田舎の方へ行くと結構あちこちの民家で鳥猟犬を飼っているのを見かけます。
 農林業が主の地域では人口の割に狩猟者が多くいますが、この人たちは自分たちの生活を守
るための有害鳥獣駆除が主な目的であり、好きでやっている人も勿論多くいますが趣味・スポー
ツとしての意味合いは薄くなります。従って、鹿猟や猪猟が主で、鳥猟を主にやる人はまず居ない
と言っても過言ではありません。
 そんな地域に結構鳥猟犬を見かけるのは、遺棄された犬が迷い犬として地域で保護され、飼
育されているのではないかと考えることも出来ます。

 田舎の場合はスペースもあり、人心もおおらかなので救われますが、もし都市に近い場所で遺
棄されると交通事故に遭ったり、飼育環境が整わず結局は保健所行きになることが多いのでしょ
う。

 なぜ猟犬を捨てる人がいるのか?・・・

 まず全ての猟犬に実猟に耐える能力が備わっているとは言えないことが挙げられますが、鳥猟
犬の場合と、主として猪猟などに用いられる獣猟犬の場合とでは、いささか事情が異なります。
 獣猟犬の場合、実力・素養のない犬は猪などの牙にかかり命を落とすこともしばしばで、或る意
味で自然に淘汰されるのですが、鳥猟犬の場合は成果が得られなくても、狩猟者のところまで帰
還します。獣を発見し、命を賭けてまで自ら獣に絡んで行くことはまずあり得ません。

 心ない狩猟者は犬を道具としてしか考えていないようで、鳥猟犬の場合、役に立たないと判断
されれば惜しむことなく捨てられてしまうのでしょう。
 これは、狩猟者が大した努力もせずに、全ての原因を犬に押し付けているのであって、こんな
人に狩猟をする資格はありません。

 ブリーダーの中には管理・訓練と称して非猟期の間、犬を預かっている所があります。
 競技会の訓練を受けている場合や住まい、家族構成、仕事の関係などでやむを得ない場合も
あるでしょうが、中には前述と同様に犬=道具との考えの人もいて、決して犬が好きと言う訳で
もなく、猟期以外は犬と関わりたくないと言う人もいるようです。
 管理料は一概には言えませんが、おおよそ月額3万円から5万円程度でしょうか。

 景気の低迷で管理料の負担が重いと感じて、年毎に犬を買替える人もいるようです。
 自分の愉しみの為にはコストと労力が必要なのは当り前なのに、何とも身勝手なものです。
 確かに犬の価格も下がり、そこそこ仕事の出来る犬でも15万円から20万円で買えるように
なってはいるようですが、余りにも合理的過ぎ、お金の重さばかりで命の重さを考えない卑劣
な考えだと思います。
 また、毎年のように犬を買いに来る狩猟者に、知ってか知らずか自分の育てた犬を売りつけ
るブリーダーがいるとすれば、これもまた重大な問題ではないでしょうか。

 もっと程度の悪い輩がいます。
 犬を買う金まで惜しむのです。猟期近くになると鳥猟犬の盗難事件が増えます。ブルトンは
攻撃性がなく、誰にでも付いて行くので飼い主は充分な注意が必要です。
 猟期が終れば、余程優秀な犬以外は捨てられるでしょう。

 私も17頭のブルトンを譲り渡した経験がありますが、信頼のおける狩猟者に2頭のみで、他は
すべて一般家庭の犬となりました。
 狩猟者からの申し込みもありましたが、もし仔犬たちが期待通りの働きが出来なかった場合、
どのような扱いを受けるのだろうかと考え、理由をつけて全て断りました。

 狩猟は法律そのものがルールである唯一のスポーツです。

 「狩猟法」「鳥獣保護法」と言うような法律がある、又はあるのではないか? あって当然だろ
うと考える方がほとんどだと思いますが・・・
 「狩猟法」は正式には「鳥獣保護及狩猟二関スル法律」と言い、「鳥獣保護法」との別名を持っ
ていて実は同じ法律なのです。
 同じ法律の中で「鳥獣保護」と「狩猟」とが規定されているのです。
 鳥獣の保護が原則で狩猟はその例外であり、この法律で指定された鳥獣以外は許可なく捕
獲、殺傷することは出来ません。たとえ自分の犬たりとも同様です。

 狩猟法が守れない=鳥獣保護の意識がない人に果たして「銃刀法」や「火取法」が守れるの
でしょうか?、甚だ疑問です。狩猟法違反は即銃刀法違反です。

 銃の所持は原則違法です。

 銃刀法の所持許可を与える場合、公安委員会はその所持目的、用途から犯歴、薬物中毒、
酒癖、激昂性の有無その他(あいまいな表現ですが、ご理解ください)などについて調べている
筈です。
 つまり、銃砲の所持許可を持っている人は個人的にも社会的にも信頼できる人だと私は理解
していますし、それが一般の考えでしょう。何よりも確かなリサーチです。

 ときどきマスコミで「矢ガモ」「矢ネコ」その他動物の虐待が心ない者によって行われているの
に接します。
 人目につく場所での虐待であり、ニュース性が高く、視聴者に「なんとひどい奴がいるものだ。」
との感を抱かせるには充分な事件です。

 しかし私たちは人目につかない山奥で、一般には紳士で通用する人たちの自らの手によって、
これらの報道の何倍、何十倍、それ以上の殺戮、遺棄が行われている事実を知らされることは
無いのです。


 勿論これらはほんの一握りの不埒な狩猟者によるものであり、私と同様に心を傷めておられる
諸兄が大部分であることと信じて疑いません。

 非猟期の9ヶ月を家族の一員として共に過ごし、信頼関係を築いて、猟期には一緒に山に遊ぶ。
 猟果は二の次で、一般人には決して経験できない発見や驚きを求めて猟野を駆ける。

 このような狩猟人生でありたいと、願ってやまないのです。


                Un maximum de qualités dans un volume minimum.


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